November 12th, 2008 / Category: Media, Social
このところ,はてな周辺で日本語論議が起こっているらしい。3つくらいの記事しか見ていないが,britishstudiesさんの記事が具体事例を交えていることもあり面白かったので,紹介しつつコメントを加えてみる。
いつの時代も知識人は余計な心配をするものであるが,「言語」と「文化」を結びつけるアイディアは,あまりセンスが良いとは言えない。特に,まるで言語という土台の上に文化が乗っかっているかのように考えることは,言語がなくなったらぜんぶ壊れてしまう・・・という発想に繋がる。しかしスコットランドの事例が示すように,文化とはそのようなものではない。……私は「ナショナリスト」ではないが,もしあなたがナショナリストであるとすれば,表層的な言語が変わったからといって消失しないような文化を作っておくのが,ナショナリスティックな知識人の今日的な使命だと信じるべきではないだろうか。
–ブリスタ@はてな
「「言語」と「文化」を結びつけるアイディア」には,僕も漠然とではあるが違和感をもっていた。もっといえば,その結び付け方も問題で,土地(≒空間)が一番下の土台にあって言語がその上に乗り,さらにその上に文化がある,というような,上部構造‐下部構造的な見方は感心できない。とくに社会学者周りがやっていると。こうした解釈図式はたぶんいまだに根強くて,そのあたり,国語審議会のみなさんも,モグリなカルスタポスコロのみなさんも同根な気がする。
わざわざ言うまでもなく,日本語(方言含む)だって他の言語だって常にミクスチャーみたいなもんだったし,これからもそうやって変化していくだろう。二百年くらい前の人から見れば,今の僕らの言葉はほとんど違う言語を話しているように聞こえるかもしれない。僕らも多分平安時代の人とはオーラル・コミュニケーションなんて,とてもとれないだろう。そんな動的なものに土地所有のような近代的制度のような区分を設けるなんて,ナンセンスだ。
昨今のネット文化の形成のされ方に目を向ければ,その形成にリアルな場所なんて明らかに必要条件ではない。文化や社会関係が作られ,そこに空間を見出すことだって珍しくもない。言葉も必ずしも必要ない(YouTubeみたいに)。
あんまり言い過ぎると,「電子メディア時代は古典時代への先祖がえり」モデルにハマりそうになるのでこの辺でやめておく。でも,メディア論周辺の人の解釈による『想像の共同体』の近代国民国家モデルには,メディア史的には前期近代のむしろ特殊な状況を事後的に切り出すくらいの意味しかないんだろうな。
まー,「言語がなくなると文化がなくなるだ」なんて,常に放っておけというわけではないけど,余計な心配はやめましょうよ。
ところで話は変わるが,いったい何がどうなったら「文化が変わった」と言えるのだろうか?ずーーっと気になっているんだが。
November 11th, 2008 / Category: Diary, Media
昨日ちらっと書いた書庫サービスの感想。当該サービスのURLは↓。結論から言うと,今のところ非常に便利で満足。
http://www.tokyo-shoko.com/bks_plus/index.html
最初に申し込みをすると,45×32×22(cm)の段ボールケースが5箱送られてくる。これに本を詰め(A5版だと1ケースあたり40冊くらい),東京書庫に連絡するとペリカンが取りに来た。配送料は1個500円。着払いで送って請求は東京書庫から銀行引き落とし。普通に送るより多分割安で微妙に勝手が良い気がする。
ちなみにケースには自分で管理番号を記入することになっているが,この番号はペリカンの伝票番号がそのまま使われる。トレーサビリティ上,重複によるミスが少ない合理的な管理方法だな,と感心。
それから2週間弱くらいで蔵書データのCD-Rが送られてきた。ISBNのついた和書であれば,データ作成料金は1冊あたり10円(その他の場合,1冊40円)。形式はXLSファイルと「Book-search」というオリジナルの簡易DBソフト。
XLSは一覧用(箱ごとのファイルもある)で,「Book-search」は登録されたすべてのフィールドの串刺し検索ができる。データのフィールドは,ISBN,書名,著者名,版元名,単価(定価!),ケースの管理番号。発行年と訳者名がないのはちと残念。
ただし,和書の場合はISBNで書誌データを引っ張ってきているようなので,間違いがない。雑誌・洋書などは多分手打ちで,「Deleuze」が「Deleuzu」になっていたりして苦笑。XLSの一部を晒してみるとこんな↓感じ(クリックで拡大)。

感想をまとめておくと,このサービスの良いところは,一般的なトランクレンタルなんかと違って,蔵書DBを作ってくれるところにある。多くの読書家・研究者にとって自分でDBを作るのはなんとも骨の折れる作業だし,どこにどの本があるかなんて,往々にして分からなくなりがちだ。
その点,このサービスでは1冊あたり10円でDBを作ってくれて,どの箱にどの本が入っているか分からなくなることもない。そもそも,カスタマ側ではデータがまとめてDB化されているので,そんなことを気にする必要がない。さらに,1冊単位で取り出し(メール便)ができたり,不要になった本は廃棄までしてくれる。
今回の費用をざっくり計算すると,今回送ったのが200冊くらいで初期費用が\6,500(保管ケース(5ケース)代(\1,500)+DB作成料(\2,500)+配送料(\500×5)=\6,500)。毎月の保管料が\1,250。初期費用が学生さんにはちと重いかもしれんが,サービスの内容からすればコストパフォーマンスは良い気がする。
おかげさまで部屋もすっきり。
November 9th, 2008 / Category: Diary
「バーチャル」って言葉もなんだか古くさいが…。
本を預かってくれて,預かった本の蔵書リストまで作ってくれるサービスを使い始めて,今日蔵書リスト(もちろん電子ファイル)が送られてきた。今回はとりあえず200冊ほど。トランク借りるより安くて便利。多分。東京書庫さん,いいところに目をつけたなー。
http://www.tokyo-shoko.com/bks_plus/index.html
November 5th, 2008 / Category: Diary
身の回りに悪いことばかり起きるようになってから,あと数ヶ月で5年。
ある本を読んで,それまで切符だと思っていたものが赤紙のようなものだと気がついたのが,2004年の2月(多分)。それ以来,長い。毎年が厄年の感がある。
おととしくらいにようやく落ち着いたかな,と思って動こうとしたら,これが大きな勘違い。頭の中身が実はだいぶ変わっていたことに,自分で気がついていなかった。いい時期の要因までも赤紙に見えてくるようになった。
それについては一応片づけた。が,あとには何も残らず,むしろマイナスだ。一人で新しいことを始めても,それが先につながる糸口もなく。ついにはキャラまでヘボちょくなってきたような。
何かのツケでも回ってきたんだろうか。いや,自己責任か…。
どもども。またしばらく使ってみて気がついたことがあればお願いします。私の周りでさっそくこのサービスを話題にしたら、やはりかなりの関心の高さを感じます。本は重くて場所を取って、かといって常に参照するわけでもないし、捨てるわけにもいかず、困りものですしね……。
>britishstudiesさん
研究者はやはり飛びつきますよねー,これは。今必要なわけではないけど捨てられないという,本への微妙な感情をうまくすくい取ってくれたというか。家の本棚がすっきりしたらすっきりしたで,またその分増えていくわけですが(笑)